痔ならお風呂はNG…ではなかった!タイプ別入浴法で症状緩和しよう

痔になったらお風呂は症状を悪化させてしまうのでは?そう思う人は多いでしょう。しかしお風呂は入り方次第で痔の治りを早くしたり、血行を促進したりする効果があるんです。いぼ痔、切れ痔、痔ろうといった様々なタイプ別にぴったりの入浴方法を紹介します!

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痔の時ってお風呂に入らない方がいい?​

​痔になってしまったときお風呂に入るのは大丈夫なのか、と一度は不安になるもの。清潔感を保つために入らないわけにはいかないし、かと言って患部にお湯が当たると悪化してしまうのではないかと思う人が多いのではないでしょうか。しかし、お風呂が痔に良い効果をもたらすこともあります。どのような効果があるのか、症状別にリサーチしたのでそれぞれご紹介します。

お風呂に入ると痔は悪化する?​

​冷えを改善する

体の冷えは痔の大きな原因の一つです。お風呂に入り冷えを改善することで、痔の症状の改善も期待できます。

お風呂に入ると体が温まり血行が促進されます。血行が促進されるということは、血液やリンパ液の循環が良くなるということ。これにより肛門周辺のうっ血が解消され、体全体を温めてくれます。

シャワーだけでも温まることはできますが、できるだけ湯船につかるようにしてください。シャワーだとお湯が体の表面を流れていってしまいます。反対に湯船につかれば、しっかり体を温めることができます。体を芯から温められる半身浴がおすすめです。

患部を清潔にできる

​お風呂に入ることで患部を清潔に保てば、雑菌などで症状が悪化するのを防ぐことができます。痔を早く治すためには患部を清潔にしておくことが大切です。お風呂に入って体を洗う際、痔の患部も優しく洗い流すようにしましょう。

また、患部を清潔にすることは気持ちのリフレッシュにつながります。症状がつらいときはどこにいても気になってしまうと思いますが、お風呂で洗い流せばそこで一度気分を切り替えられます。精神的にすっきりしておくのも、治療に大切なことなのです。

症状にあった方法で入るのが重要

痔には様々なタイプがあり、それぞれ症状が異なります。それによってお風呂の入り方を変えることが重要です。症状ごとに適さない入浴方法を続けてしまうと、場合によっては悪化にしてしまうことがあります。お風呂は基本的に痔に効果的といわれていますが、万が一悪化させてしまわないためにも、タイプ・症状ごとに適したお風呂の入り方を覚えておきましょう。

それでは次から、痔のタイプや症状別のお風呂の入り方をご紹介します。​

痔核(いぼ痔)でお悩みの方

​症状と原因

​症状​原因
  • ​内痔核:出血、排便時の痛みなし(痔核が肛門の外に飛び出すこともある)
  • 外痔核:出血、排便時の痛みあり
  • ​​排便時のいきみによるうっ血
  • ​便秘や下痢による肛門部分への負担

いぼ痔は肛門にいぼ状の腫れができている状態で、痔の中で最も多いタイプです。肛門の内側にできる内痔核と、外側にできる外痔核の2種類があります。それぞれ出血を伴いますが、内痔核は基本的に排便時の痛みがなく、外痔核は痛みがあるという違いがあります。ただし、内痔核でも程度によって肛門の外に飛び出し、痛みを伴う場合があるそうです。

初期段階では出血する程度ですが、症状が重くなると外に飛び出した状態から元に戻らなくなることがあります。かゆみや不快感も出てくるので、そうなる前に少しでも早く病院で診てもらうようにしましょう。

入浴で期待できること

入浴することで全身の血行の促進が期待できます。いぼ痔の原因は血液の流れが悪くなることなので、​入浴で血の巡りを良くして体全体を温めましょう。

また、体が温まると腸の蠕動(ぜんどう)運動​を促進することができます。蠕動運動とは消化した食べ物を腸の中で移動させ、体の外へ便として出そうとする動きのことです。つまり、体が温まるとお通じがよくなります。不要なものを外に出すことは健康のためにとても大切なことです。デトックスになりますし、気分も晴れやかになるので毎日活発に動くことができると思います。

お風呂の入り方・注意点

38~40度の湯船にゆっくりつかるようにしてください。それ以上の熱いお湯にしてしまうと皮膚が持つバリア機能が働き、熱を体内に吸収しにくくなります。すると体の表面だけ温まり体内が温まらない状態になるので、せっかくの入浴が無意味になってしまいます。熱すぎず、ぬるすぎない温度での入浴を心がけましょう。体を芯から温める半身浴にするのも効果的です。

また、湯船につかるときはお尻を圧迫しないように注意してください。お風呂用のクッションなどを用意するのもいいでしょう。患部に刺激がいかないようにすることで治りを早くすることができるそうです。

「の」の字マッサージ

痔の原因の一つである便秘を解消するため、腸の動きを活発にする効果がある「の」の字マッサージを実践しましょう。

お腹を正面から見た時、腸は「の」の字を描くような形をしています。そのため、おへそを中心にして時計回りに30周ほどなでるようにマッサージしてください。

カルナ博士
部屋でマッサージするときは、腰の下に枕やクッションを挟むとお腹が伸びて刺激しやすいぞい。

切れ痔でお悩みの方

​症状と原因

​症状​原因
  • ​​排便時の激しい痛み
  • 少量の出血
  • 内肛門括約筋のけいれん
  • ​​便秘と下痢による肛門の裂け
切れ痔は、硬い便が肛門を通るときや、下痢を繰り返すことで肛門の上皮が裂けて発生します。肛門上皮は肛門と直腸のつなぎ目である歯状線の下にあり、知覚神経が通っているため激しい痛みを感じます。「裂肛」や「裂け痔」と呼ばれることもあり、もともと肛門が狭い人は切れ痔になりやすいといわれています。便秘がちな体質の人もなりやすい傾向だそうです。​

​また、ダイエットによる便の量の減少で腸の働きが鈍くなると起きやすく、女性に多い痔の症状でもあります。

​内肛門括約筋がけいれんを起こすため、痛みが継続しやすい傾向にあります。病院で治療する場合は薬による保存療法が主流です。

入浴で期待できること

お風呂に入ることで冷え性の改善や切れ痔の傷の治りを早めることが期待できます。切れ痔の原因の一つである便秘は体の冷えや血行が悪くなることが原因なので、​しっかりお湯につかることでそれらを改善することができます。

切れ痔の特徴の一つであるヒリヒリとした痛みも、入浴で改善が期待できます。体を芯から温めることを意識して入浴しましょう。また、少量ながら出血を伴うことがあるためきれいに洗い流して清潔に保ってください。雑菌などの侵入を防ぎ、傷の悪化防止につながります。

お風呂の入り方・注意点

切れ痔の場合は37~38℃が適温です。肛門が裂けて出血しているため、あまり高い温度での入浴だと血行が促進されすぎてしまい、さらに出血する恐れがあります。血行が促進されると痛みも激しくなる場合があるため、少しぬるいと感じるくらいのお湯にゆっくりつかってください。

また、長時間の入浴は避けましょう。ぬるま湯でも長時間入っていると温まりすぎてしまいます。長くても15分程度にとどめるなど調節してください。入浴は毎日行い、洗う際は極力負担をかけないように気をつけます。石鹸は泡立てて患部に直接触れないようにするなど注意しましょう。

ひばり
石鹸やボディーソープは添加物が入っていると患部の刺激になる恐れがあります。普段使っているもので問題なければいいですが、人によってはこちらも注意してくださいね。

痔瘻(じろう)でお悩みの方

​症状と原因

​症状​原因
  • ​激しい痛み
  • 発熱
  • 進行するとトンネル状に穴が開くことも
  • ​下痢による細菌感染
  • 排便時の強いいきみ
  • 疲労やストレス

​​​痔ろうの原因ははっきりとはわかっていませんが、下痢気味の体質の人は細菌感染で起こることが多いそうです。また、排便時に強くいきむ、疲れやすく免疫が低下しているといったことも原因の一つとされています。女性よりも男性に多いそうです。

症状は肛門の奥にある肛門陰窩(こうもんいんか)と呼ばれるくぼみに細菌が入り、膿がたまることで発症します。膿が肛門近くで化膿して腫れてしまい、激しい痛みを伴います。進行するとたまった膿が皮膚を破って穴を開け、トンネル状になることもあります。「あな痔」と呼ばれるのはこのためです。

また、痔ろうになると38~39度の発熱を伴う場合があります。患部が腫れて熱を伴うため、ズキズキと重い痛みが走るようです。

入浴で期待できること

入浴すると副交感神経が刺激されるため、自律神経が改善されます。副交感神経とは疲れた体をリラックスさせ、機能を修復する神経のことです。痔ろうの原因の一つがストレスなので、お風呂に入り副交感神経を刺激することで自律神経が整えられ、傷の治りを早くすることが期待できます。

また、自律神経の改善は免疫力を上げることにもつながります。体の免疫力が上がれば細菌の感染もしにくくなりますし、したとしても症状が現れる確率が低くなります。精神的なトラブルが原因となりやすい痔ろうでは、体を温めつつ休ませることがとても大切です。

お風呂の入り方・注意点

痔ろうの適温は37~38度です。痔ろうは細菌が体の中に入り膿を作って炎症している状態なので、あまり熱いお湯につかると症状を悪化させてしまう可能性があります。血行が良くなりすぎると切れ痔のように痛みが激しくなる場合があるので注意しましょう。

また、こちらも長時間の入浴は避けてください。切れ痔のようにぬるま湯で15分ほど入るようにしましょう。その際、座浴だと痛みが増すので、湯船の壁に寄りかかるように横向きにするなど工夫してください。

カルナ博士
痔ろうは膿や炎症している部分が当たってしまわないように気をつけて入浴するのがポイントじゃ。
湯船だけでなく、シャワーの温度もぬるめに設定しておくと良いぞい。

こんな場合はどうする?Q&A​

肛門周囲膿瘍で熱をもって痛みが激しい時はどうすればいい?

温めた濡れタオルで患部を温めたり、座浴にするといいでしょう。
肛門周囲膿瘍は膿がたまっている状態なので、できるだけ触らないようにしてください。
濡れタオルで温める場合は清潔なタオルを使ってください。抵抗力が弱まっている状態なので、他の細菌に感染しないためにも清潔感は大切です。


お風呂に座ると痛い場合は?

少し横向きに座ったり、湯船の壁に寄りかかってみてください。患部が直接お風呂の底などに当たらないようにすることが大切です。


お風呂で切れ痔がしみるときはどうすればいい?

石鹸やボディーソープをよく泡立てて、患部を泡でやさしくなでるようにして洗ってください。
傷が裂けている状態なので、刺激を避けるためにシャワーも弱くした方が良いでしょう。
その際熱いお湯ではなく、ぬるま湯にしてください。38度くらいだと熱くなくぬるすぎることもなくちょうどいいと思います。


炎症がひどい・化膿している場合はお風呂はOK?

炎症がひどかったり化膿していたりする場合は入浴を避けましょう。症状が悪化する恐れがあります。
入浴しなくても患部を濡れタオルで清潔にするといった方法がとれますが、まずは病院の先生に指示を仰いでください。

入浴する際、入浴剤を使って洗いたい場合は?

肌に合ったものならいいでしょう。ただし、添加物や香料などが患部の刺激になる場合もあるので、様子を見ながら使ってください。
万が一症状が悪化するようであれば使用をやめて、できるだけ肌にやさしい製品を使う、もしくは使うのをやめることも検討してください。

痔になっているときにサウナや銭湯・温泉に行くのは大丈夫?

基本的には問題ありません。しかし、肛門周囲膿瘍や痔ろうで膿が出ている場合はお風呂を汚してしまう可能性があるので、衛生的な面からやめたほうが良いでしょう。
また、痔の手術をした人が硫黄などの強い成分を含む温泉に入ると、痛みが出ることがあります。温泉の効能などを確認して患部の刺激にならないように入ることが大切です。
他にも、体温が上がりすぎて痛みが増すようであればすぐに入浴をやめてください。

毎日のお風呂でセルフケアしよう​

​痔の患部をお風呂で清潔にすることは、痛みを和らげたり治りを早くしたりするためにとても大切です。湯船につかり体を温めながら、毎日欠かさずケアするようにしてください。また、お風呂に入ることで精神的にリフレッシュし体を休めることも、症状改善につながります。自分がどのタイプの痔なのか確認したうえで、心身ともにこまめにケアしていってください。

参照リンク​

タケダ健康サイト|痔

平田肛門科医院|2-8 日常生活でのセルフケア

日本温泉協会|適応症と禁忌症

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