夏バテに漢方ってアリ?古人の知恵からみた原因と症状別おすすめとは

夏バテには漢方が効く、という話を聞いたことはありますか?特に病気というわけではないけど、寝ても覚めても続く夏の不調、その改善に漢方が役立ちます。ここでは夏バテに効く漢方薬を症状別に紹介。暑さでお疲れ気味の人、暑さに弱い人はぜひチェックを。

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夏バテの症状、できれば簡単になんとかしたい

毎年夏の終わりになると、決まってやってくるのが夏バテ。それまで元気いっぱいに活動していても、夏のあるときから疲労や食欲不振、体調不良に見舞われる人は少なくありません。夏バテも本格的になると、なかなか症状が改善しないところが厄介なところ。気持ちよく秋を迎えるために、できれば早めに回復したいところ。

夏バテになると、不定愁訴(※)を訴える人が増えてきますが、漢方はこうした症状を改善するのが得意なんです。そこで今回は夏バテに効く、漢方薬について詳しく特集します。継続して飲むことで体質改善にもつながるので、夏バテでなくても疲れやすい人や、虚弱体質の人に役立つ情報も満載です。本格的な夏バテになる前にぜひ参考にしてください。

※不定愁訴…検査では異常が見つからないが、さまざまな体調不良がある状態

漢方で紐解く夏バテのメカニズム

夏バテに効く漢方薬特集の最初は、東洋医学の視点で見る夏バテのメカニズムです。そもそも夏バテとは一体どのような症状を指すのか、ここで今一度確認をしてください。

東洋医学では「注夏病」

夏バテは東洋医学では注夏病(ちゅうかびょう)と呼ばれています。今から遡ること約600年前、中国の『万病回春』という医学書によると、注夏病の症状として心身の疲労、脱力感、食欲低下、めまい、口の渇きといったことがあげられています。この記述を見る限り、夏バテの症状は随分昔からあったということになります。

夏バテの養生をするには、体内の気を補い、体の潤いを生み出すことが大原則で、そうしたことに効く食材や漢方薬の摂取が推奨されてきました。夏バテに効く漢方薬は後程まとめて紹介するので、ここでは夏バテ対策に効く食材を紹介します。

夏バテに効く食べ物体への効果
生姜、紫蘇・腸を温める効果
・消化吸収機能の低下を防ぐ
小豆、スイカ・冬瓜・メロン、トマト、ニガウリ・体にこもった熱を冷ます
・汗と共に体外に出る潤いとエネルギーを補給
酢の物、梅干、レモン、梅酒など・喉の乾き、汗のかきすぎに効く
・疲労回復効果
山芋、じゃがいも、かぼちゃ、キノコ類、栗、卵、ゴマなど・甘味のある食材は長夏の食養生に効く
・弱くなった脾胃(胃腸)を健やかに保つ
豚肉、鶏肉、ニンニク、ニンジン、ネギ、シナモンなど・体を温める効果(冷房による冷えが気になる人におすすめ)

ここにある食材、よく見てみると、トマトやスイカなどの夏野菜や、酸味のあるレモンや梅干し、ニンニクやネギなど、夏でも食欲をそそるものがそろっています。私たちが夏になると無意識に摂りたくなる食材は、実は夏バテ対策にもってこいのものなんです。美味しいということは、それだけ体が欲求していることの証でもあります。本格的にバテてしまわないように、夏場はここにある食材を積極的に食べましょう。

胃腸が弱って全体的にエネルギーが足りなくなる

次は夏バテから引き起こされる疲労のメカニズムについてです。東洋医学では、気候の変化が病気を作るという考え方があります。気候は全部で5種類に分けられ、「風・暑・湿・燥・火」のうちどれか一つでも強くなると、「邪」となって体に不調がもたらされると考えます。

このうち夏になると顕著になるのが「湿邪(しつじゃ)と暑邪(しょじゃ)」です。特に高温多湿の日本においては、これが夏バテの原因になるとみられています。さらに現代では「寒邪(かんじゃ)」も夏バテの原因とされています。それぞれのワードについてここで解説をします。

湿邪(しつじゃ)

湿邪は、高い湿度によって引き起こされます。この時期の湿度は身体に悪く、脾臓の機能の弱まりを引き起こします。湿邪によって胃腸機能が低下し、体全体に栄養が行きわたりにくくなります。さらに水分代謝機能が落ち、体がむくみやすくなります。

暑邪(しょじゃ)

暑邪は文字通り暑さによって引き起こされます。暑邪が体に入ると、体温が上がるので汗が大量に出ます。すると体に潤いを与える津液(しんえき)が不足し、活動の原動力になる気も不足します。また、体温も上がることから冷たいものを好んで摂るようになります。冷たいものを摂りすぎると、胃腸機能が低下して食欲も低下します。また腹痛や下痢を起こしやすくなります。さらに湿邪の影響で津液の流れが滞ることで、体が重く感じ、だるさや疲れやすさが抜けず、生命エネルギーの元となる「気」を十分に作れないことから、本格的な夏バテに発展します。

寒邪(かんじゃ)

寒邪は体に入ると手足の冷えや下痢、咳がでたり、のどの痛みを感じます。昔の夏バテに寒邪はなかったのですが、近年は室内に冷房が効いていることで、寒邪も夏バテを引き起こす原因とされています。室内と外気温の差は自律神経の乱れを生じ、体に不定愁訴をもたらす原因になります。

東洋医学の視点では、夏バテはこうした3つの要素によって起こると考えられます。

元から疲れ気味・虚弱体質なら要注意

夏バテは誰がなってもおかしくないものですが、特に元から疲れ気味だったり、虚弱体質の人は要注意です。特に東洋医学で言う「気虚」の人は夏バテになりやすいかもしれません。

気虚とは、体内の気のエネルギーが足りない体質で、エネルギーが消耗している状態です。「気」とは目には見えない生命エネルギーのことで、元気の源とされています。

気虚の状態になると、疲れやすく、集中力は低下し、風邪をひきやすく、胃腸も弱ります。朝が苦手という特徴もあります。気のエネルギーは暑さでも消耗し、汗と一緒に体外に流れ出るため、夏は特に気のエネルギーが足りなくなりやすいのです。

気虚の体質の人は、もともとエネルギーが足りていないので、気候の影響を大きく受けてしまいます。日ごろから疲れやすさを感じている人は、夏バテには特に注意が必要で、食べ物や漢方薬で気を補うと良いでしょう。また活動のしすぎにも注意して、夏は特に規則正しい生活を心がけ、暴飲暴食はせずに過ごすことをおすすめします。

ひばり
東洋医学の視点による夏バテのお話はここまで。ここからはいよいよ夏バテに効く漢方薬を紹介していきます。

【だるい・疲労】に効く漢方薬

ここからは夏バテに効く漢方薬についてです。一口に夏バテといっても、症状は人によって違い、体質も異なります。自分にあった漢方薬を選ぶことが夏バテ解消の早道なので、色んなタイプの漢方薬を取り上げたいと思います。最初は、だるさや疲労に効く漢方薬です。夏バテを実感するのは、寝ても覚めても続くあの疲労感。ここでは、そうした不調を改善する2つの漢方薬を紹介します。しばらく継続して飲む必要はありますが、体にあえば効果てきめんのお薬です。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

夏バテの疲労に効く漢方薬のその1は、清暑益気湯(せいしょえっきとう)です。これは夏バテや暑気あたりの代表的な漢方薬とされ、清暑は暑さの原因を取り除き、益気は気(エネルギー)を増す働きをします。暑さで弱った体を回復させ、体力を補うために、気虚の人に処方される漢方薬です。

薬の成分には、胃腸の働きを良くし、疲労回復を促し、体の熱をとる生薬が配合されています。また体の「水」を調節する生薬も含まれています。主な漢方成分は以下の通りです。

清暑益気湯はいろんな製薬会社から販売されていますが、ツムラから発売されている清暑益気湯に含まれる成分は次のようなものになります。ツムラの清暑益気湯は医療用のものなので、病院で処方してもらう必要があります。

清暑益気湯の主な成分

蒼朮(ソウジュツ)人参(ニンジン)、 麦門冬(バクモンドウ)、 黄耆(オウギ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、 黄柏(オウバク)、甘草(カンゾウ)、 五味子(ゴミシ)

商品情報(服用が向いている人、飲み方については以下の通り)

体質虚証(虚弱体質・体力が中程度以下)の人
飲み方成人は1日7.5g を2、3回に分けて飲む。服用は食前または食間

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)


夏バテによるだるさや疲れが気になる人は、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)もおすすめです。この薬は非常にメジャーで、疲労で処方される代表的な漢方薬です。十全大補湯は、気と血が足りない人に処方される薬で、慢性疲労症候群の人にも使われています。

夏バテで「気」が足りなくなりやすい、という話はすでにしましたが、気が不足すると疲れやすくなります。また気があっても全身にまわらなければ、疲労感は残ります。

気が足りなくなると、それに比例して「血」も不足気味になります。血は全身に栄養を与える役割があり、血が足りなくなると体は栄養不足の状態になります。するとますます疲れは増し、精神的にも不安定になってきます。ここまでくると、体はわずかな充電しかない携帯電話のような状態になり、すぐに電源が切れてしまう携帯のように、体を動かせなくなってきます。

十全大補湯はそうした症状によく効く薬です。よく補中益気湯(ほちゅうえっきとう※後述)と比べられますが、補中益気湯は気が不足している人に処方されるのに対し、こちらは「気」と「血」の両方が不足しているタイプに処方されます。2つとも市販で手に入りますが、どちらも疲労回復効果があり、どちらを選ぶかは「血虚(けっきょ)」」の症状の有無で判断します

血虚の症状は、肌荒れ、乾燥肌、めまいや立ちくらみ、手足の冷え、髪がパサついて抜けやすい、不眠、月経不順といった症状があります。エネルギー不足に加えて、こうした症状があれば十全大補湯がおすすめです。

十全大補湯はクラシエから市販されています。薬の概要は以下の通りです。

十全大補湯エキス錠(クラシエ)の主な成分

人参(にんじん) 黄耆(おうぎ) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 当帰(とうき) 芍薬(しゃくやく) 地黄(じおう) 川芎(せんきゅう) 桂皮(けいひ) 甘草(かんぞう)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)、血虚(血流不足・貧血)、気虚(心身疲労)
飲み方1日3回・成人は1回4錠、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格希望小売価格4,300円(税抜)、2,749円(Amazon価格)
内容量180錠(15日分)

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【胃腸(食欲不振、胃痛、下痢)】に効く漢方薬

次は夏バテの中でも、特に胃腸の不調が気になる人におすすめの漢方薬を紹介します。胃腸機能が低下して、食欲不振や胃痛、下痢といった消化機能全般の不調を改善する働きがあります。胃腸に効く漢方は全部で3つ。胃腸に効くだけでなく、疲労回復にも役立つので、夏バテの辛い症状をカバーすることができるでしょう。

六君子湯(りっくんしとう)

最初のおすすめは六君子湯(りっくんしとう)です。虚証の人に処方される胃腸薬の代表的なもので、医療現場でもよく処方される薬です。この漢方薬は、胃腸の働きを改善する「四君子湯(しくんしとう)」に、体内の停滞している水分を排出する「二陳湯(にちんとう)」を加えて、体の「水(すい)」のめぐりを良くします。「水」は血液以外の体液全般を指します。

この薬には、人参、半夏、茯苓、朮、陳皮、甘草の6種類の生薬が含まれいます、六君子湯の名前の由来は、この薬に含まれる6つの薬を君子に見立てたことから、そう名づけられました。

君子とは中国における理想的人格の称で、このエピソードから、六君子湯がいかに人々に重宝されてきたかが分かります。この薬は胃腸に効きますが、適応するのは体力が中程度以下の人で、疲れやすく、冷え症で、痩せて顔色が悪いタイプの人です。こうした人に食欲不振、嘔吐、胃もたれなどの症状がみられたらこの薬が処方されます。

夏バテによる影響で食欲不振のときには、この六君子湯がおすすめです。六君子湯は一般医薬品として販売されており、薬局で購入することができます。さまざまな会社から販売されていますが、今回紹介するのはツムラの六君子湯です。薬の成分と商品情報も記載するので、夏バテで食欲がない…という人はぜひチェックしてください。ツムラの漢方薬はAmazonから購入するとリーズナブルです。

ツムラ漢方六君子湯エキス顆粒の主な成分

人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)、湿証(体内の水分停滞)
飲み方1日2回・成人は1回1包(1.875g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,991円(Amazon価格)
内容量24包(12日分)

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補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸に効く2つ目のおすすめは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。補中益気湯は、十全大補湯と並んで疲労回復に効果のある漢方薬として有名です。「中」は胃腸を表し、益気は気を増すという意味があります。元気を高める薬の代表的なもので、別名は「医王湯」とも呼ばれています。

補中益気湯はその名の通り、胃腸の働きを良くして、体力を回復するのに役立つ薬です。疲労、食欲不振、夏痩せ、長引く風邪といった症状や、病中・病後、産後、手術後の体力回復などにも広く処方されます。食後に眠くなりやすい人も、補中益気湯で胃腸機能を整えれば、その症状が和らぎます。

元気を補うためとして、医療現場でもよく用いられます。そして補中益気湯と並んでよく処方されるのが十全大補湯。先ほども少し触れましたが、この2つの違いは、両方とも「気」が足りない人に処方するということは共通しています。どちらがいいかはその人の体質や症状にによって異なり、胃腸の働きを良くして元気を取り戻したい場合には補中益気湯、血の不足を補う必要がある人には十全大補湯が向いています。

補中益気湯は疲労外来でもよく処方される薬で、気力がわかず、いくら休んでもだるくて疲れている、という人におすすめです。夏バテによる疲労や食欲不振にもよく効くので、胃腸の調子を整えて、疲れを改善したい人におすすめの一品です。

補中益気湯も複数の製薬会社が発売していますが、ここではツムラの漢方薬を紹介します。成分と商品情報は以下の通りです。

ツムラ補中益気湯エキス顆粒の主な成分

人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、気証(心身疲労)
飲み方1日2回・成人は1回1包(1.875g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,865円(Amazon価格)
内容量24包(12日分)

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人参湯(にんじんとう)

夏バテで胃腸が弱っているときには、人参湯(にんじんとう)もおすすめです。この漢方も胃腸の働きを高めて、胃もたれ、食欲不振、胃痛、下痢といった症状を改善します。体力がなく疲れやすい人に向いている薬です。

薬用人参は日本でも古くから利用されている薬で、滋養強壮に良いとされています。この漢方薬は人参そのものが主薬で、痩せて体力のない人の胃腸の働きを高めていきます。

特に胃腸の病気ではなくても、胃腸の調子がなんとなく悪い人、食欲がない人、病後の体力回復などにも効くので、夏バテで弱っていて食欲がない、という人にはぴったりのお薬です。人参湯もツムラから商品を紹介します。

ツムラ漢方人参湯エキス顆粒の主な成分

人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、蒼朮(ソウジュツ))、乾姜(カンキョウ)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)
飲み方1日2回・成人は1回1包(1.875g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,845円(Amazon価格)
内容量24包(12日分)

ツムラ漢方人参湯エキス顆粒の購入はこちら

【めまい・頭痛】に効く漢方薬

次は夏バテの中でも、めまいや頭痛に悩まされている人におすすめの漢方です。こちらも全部で3つあるので、それぞれの特徴を解説していきます。

五苓散(ごれいさん)

夏バテでめまいや頭痛がある人には、五苓散(ごれいさん)がおすすめです。東洋医学の世界では、めまいや頭痛は、体の「水」が滞っていることが原因で起こると考えられています。水分代謝が滞ることで、体のあちこちに不調がでてくるとしています。

五苓散は体の「水」の滞りを改善する代表的な薬で、めまいや頭痛の他、吐き気、むくみ、下痢、口の渇きや尿量減少の人にも効果があります。適用範囲も広く、ここまで紹介した漢方のように、必ずしも虚弱体質の人向けということではありません。体力が十分ある人にも処方されるので、エネルギーの有無よりは、体の水分が停滞しているかどうかで判断します。

夏バテによるめまいや頭痛にも効果があり、暑気あたりにも効くとされています。二日酔いの吐き気にも効くようなので、ビールを飲みすぎた翌日などにはもってこいかもしれません。五苓散もツムラから出ている漢方薬を紹介します。成分と商品の情報は以下の通りです。

ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒の主な成分

沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)

商品情報

体質湿証(水分停滞)
飲み方1日2回・成人は1回1包(2.5g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,845円(Amazon価格)
内容量24包(12日分)

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半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

めまい・頭痛がある人におすすめの漢方の2つ目は、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)です。めまいや頭痛は、体の中の「水」が滞ることで起こるという話は先ほどしましたが、この漢方も水分のめぐりが悪いことで症状が引き起こされている人に処方されます。

めまいや頭痛の他には、頭重感、吐き気、嘔吐、手足の冷えといった症状にも効きます。日ごろから胃腸が弱く、冷え性で、体力があまりないタイプの人に効果があり、緊張性の頭痛の緩和などにも使われます。

この漢方薬は数社から一般発売されています。市販品のラインナップは少なめですが、大手メーカーではクラシエから第二類医薬品として発売されています。薬の成分と商品概要は次の通りです。

半夏白朮天麻湯エキス顆粒「クラシエ」の主な成分

半夏白朮天麻湯エキス・・・2,500mg中、〔ハンゲ・ビャクジュツ・ソウジュツ・チンピ・ブクリョウ各1.5g、テンマ・シンキク・バクガ各1.0g、オウギ・ニンジン・タクシャ各0.75g、オウバク0.5g、ショウキョウ0.325gより抽出。〕

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)、湿証(水分停滞)
飲み方1日3回・成人は1回1包(1.5g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格6,826~17,064円(ナガエ薬局価格)
内容量90包(30日分)

半夏白朮天麻湯エキス顆粒「クラシエ」の購入はこちら

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

夏バテでめまい・頭痛のある人には苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)もよく効くと言われています。めまいの中でも、特にぐるぐる回るタイプのめまいに効果があり、ふらふらしてまっすぐ歩けないという時にもおすすめです。

めまいは体の「水」の滞りで起こりますが、それに伴い「気」のめぐりも悪くなります。この漢方は溜まった「水」を取り除き、「気」を補う効果があり、体力を回復させつつ、めまいも改善します。

この漢方は体力が中程度以下の人に処方され、めまい、頭痛、ふらつき、動悸、耳鳴り、神経症、神経過敏といった症状の改善に広く使われます。この漢方薬もいくつかの種類が販売されていますが、ここではツムラの漢方薬を紹介します。主な成分と商品情報は以下の通りです。

ツムラ漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒 の主な成分

茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)、蒼朮(ソウジュツ)、甘草(カンゾウ)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)、湿証(水分停滞)
飲み方1日2回・成人は1回1包(1.875g)、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,200 円(Amazon価格)
内容量24包(12日分)

ツムラ漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒の購入はこちら

【冷え】に効く漢方薬

夏バテに効く漢方薬のラストは「冷え」に効くものです。冷房もなかった時代には、夏に体が冷えることもなく、夏バテの症状に冷えは入っていませんでした。しかし、最近はどこに行ってもクーラーがかかっていて、夏でも冷え性に悩む人が増えています。外気温との差も大きいことから、どうしても自律神経は乱れ気味になります。そのため、できるだけ体を冷やさない工夫が必要です。ここでは冷えに効く漢方を2つ紹介します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

1つ目のおすすめは当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)です。この漢方は血行を良くして、体を温める効果があります。この名前にある「四」は体の四肢を指し、「逆」は逆冷という意味で、体の末端から冷えていく様子を表しています。

冷え性の改善にはよく処方される薬で、手足の冷えからくる下腹部痛、下痢、腰痛、頭痛、月経痛などにも効果があるとされています。冷房で体が冷えて不調に見舞われている人にはおすすめです。この漢方はいくつか種類がありますが、クラシエから発売されているものを紹介します。主な成分と商品情報は以下の通りです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス錠クラシエの主な成分

当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス粉末…2,500mg中〔トウキ・ケイヒ・シャクヤク・モクツウ各1.5g、サイシン・カンゾウ・ゴシュユ各1.0g、タイソウ2.5g、ショウキョウ0.5gより抽出。〕

商品情報

体質寒証(冷え症)
飲み方1日3回・成人は1回4錠、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格802 円(楽天価格)
内容量48錠(4日分)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス錠クラシエの購入はこちら

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

もう一つの冷えに効く漢方薬は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。この漢方も血行を良くして体を温める効果があり、貧血症状の緩和も期待できます。一般的に女性に処方されることが多く、色白で痩せ型、冷え性で体力があまりないタイプの人に合う薬です。冷えに効くことに加え、肉体疲労、むくみ、頭痛、めまい、貧血、生理不順、生理前後の不快症状、不妊症、更年期障害といった症状にも効果があるとされ、女性の体の悩みに幅広く適応します。

夏の冷房の冷えにも効果があり、オフィスのクーラーが効きすぎて手足が冷える、といった症状があればこちらをぜひ試してみてください。冷え性があり、夏バテでお疲れ気味の女性には特に体に良いそうです。こちらの商品はクラシエから一般発売されているので、商品情報を紹介します。

クラシエ当帰芍薬散錠の主な成分

当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、薬(シャクヤク)、沢瀉(タクシャ)

商品情報

体質虚証(虚弱体質)、寒証(冷え症)、湿症(水分停滞)、血虚(血行不良・貧血)
飲み方1日3回・成人は1回4錠、食前又は食間に水か白湯で服用する
価格1,570円(Amazon価格)
内容量180錠(15日分)

クラシエ当帰芍薬散錠の購入はこちら

ひばり
夏バテ対策の漢方薬の紹介はここまで。漢方は症状にあったものを選ぶことも大事ですが、体質に合うものを選ぶこともとっても重要です。自分の体にあうものを選んでくださいね。

漢方薬を使う時の注意点

漢方でする夏バテ対策もいよいよラストコーナーです。ここからは漢方薬を使う時に注意することをあげていきます。漢方薬を日ごろから飲んでいる人は知っているかもしれませんが、あまりなじみがない人もいると思うので、ここで一緒におさらいしていきます。漢方薬の効き目を良くするにはコツがあります。

漢方薬による体質改善には継続が大切

夏バテ対策で漢方薬を飲む場合、残念ながら「今日飲んで明日良くなる」というケースは稀です。というのも、漢方はじわじわ効いてくるタイプの薬が多いからです。西洋医薬は病気を治療するという考えから出発していますが、漢方医薬では病気を未然に防ぐという考えを基にしています。そうしたことから、漢方薬が得意とするのはゆっくり体質改善をして免疫を向上させていき、病気を予防していくことなんです。

だからといって「漢方薬はすぐには効かない」ということではありません。お医者さんには「漢方薬は即効性がありますか?」という質問がよく寄せられるようですが、その答えは「漢方薬の種類による」というのが正解だそうです。ということで、漢方であれば一律に継続が大事、ということでもありません。

しかし、ここで紹介したものの多くは、継続をすることで効果を発揮します。効果が表れるまでには数か月という時間が必要なこともあります。また体質にあわないと効き目が十分にでないこともあります。疲労回復といったことが目的であれば、まずは少しの間継続して飲んでみて、体に合いそうであれば続けるのが良い方法です。

飲みやすくしたいならココアと混ぜるのもアリ

漢方薬には独特の香りと味があります。あの風味がどうしても苦手…ということであれば、ココアと混ぜて飲んでみてください。コップ一杯の白湯に漢方薬を入れ、溶けるまでかき混ぜます。その後ココアの粉末を小さじ1杯入れてかき混ぜます。これで出来上がりなのでとっても簡単。お好みで抹茶やインスタントコーヒーと混ぜても良いでしょう。

また、漢方薬は体質にあっていると美味しく感じ、そうでないと美味しく感じないという特徴もあります。実際に体にあったものだと、とても美味しいと感じられる人は多いです。漢方薬があまり美味しくない、飲むのが苦手…という人は、ひょっとしたらその薬が体にあっていない可能性もあります。そうした場合は、医師や薬剤師などの専門家に相談をして、改めて自分にあったものを探すのもひとつの方法です。

日頃の健康管理がやっぱり一番大切

夏バテになってしまったら、症状改善に漢方薬は力強い味方となります。しかし、本格的な疲れをためないように夏の時期を過ごせることができたら、夏バテでダウンする確率も低くなります。そのために一番大事なのは日頃の健康管理です。夏バテには3つのタイプがあり、自分にあった養生を心がけると良いでしょう。ここに夏バテの「タイプ別食養生」を載せるので、ぜひ実践してみてください。

疲れのタイプ症状食養生
肺が疲れるタイプ食欲不振が続くことで、脾胃に近い肺に影響がでます。夏バテで肺の機能が低下すると、秋に風邪を引きやすくなる他、咳や喘息といった呼吸器トラブルもでやすくなります。また皮膚の乾燥にも注意が必要です。
  • 肺を潤し、風邪を寄せ付けない食材をとる
  • なし、れんこん、茸類、ごぼう、ねぎ、生姜湯、葛湯などがおすすめ
脾胃が疲れるタイプ夏の高温多湿は脾胃の機能を低下させます。また暑さによる精神的な疲れや、冷たいものを摂りすぎることでも脾胃は弱ります。この状態が続くと食欲不振になり、栄養不足によって疲労回復が遅れます。
  • 脾胃の機能を回復させ、体力増進する食材をとる
  • 大豆、山芋、かぼちゃ、じゃがいも、なつめ、りんご、米、牛乳などがおすすめ。
心が疲れるタイプ夏の暑さで汗が大量にでると、血液がどろどろになります。また東洋医学では汗が出ると、血が不足すると考えます。血流が悪くなったり、不足すると心が疲れると言われ、夏バテの気力の低下の原因はここにあると言われます。このタイプの夏バテ解消には「血」と「気」を補うことが必要です。
  • 心の気・血を補う食材をとる
  • 玉ねぎ、ぶどう、らっきょう、小麦、鳥八ツ、ユリ根」などがおすすめ
ひばり
あなたの夏バテはどのタイプでしたか?思い当たるところがあれば、ぜひレシピの中に、ここにあげた食材を入れてみてくださいね。

漢方と毎日のライフタイル改善で、涼やかな夏を

いかがでしたか。今回は夏バテと漢方の特集をお届けしました。夏バテになると、しばらく体調不良が続いてしまうので、そうなる前に対策をたてておくことが大切です。毎日のライフスタイルを改善して、食事にも十分気をつけて暑い夏を乗り切ってください。もしそれでも不調が続くようであれば、漢方薬は強い味方になります。しばらく飲んでみると効き目を実感できることもあるので、気になる症状があれば飲んでみるのも良い選択です。それでも疲れが抜けない、ということであれば病院に行きましょう。

病院によっては夏バテ外来をやっているところもありますが、そうした診療科がなくても内科で診てもらえます。辛い症状があっても、できるだけ早く手をうつことで重症化しなくてすみます。暑い夏を上手に乗り切って、元気にさわやかに秋を迎えられるよう、早速できることから始めていきましょう。

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