コレステロールとお酒のおいしい関係。注意すれば楽しく嗜める?

コレステロールとお酒は切っても切れない関係です。しかしお酒が体にとって「毒」だと決めつけるのはちょっと待って下さい!実はお酒にも体にいい飲み方というのがあるのです。美味しいお酒が「百薬の長」となるように上手にお酒と付き合ってみませんか?

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コレステロール値が気になるけど、お酒ってだめ?​

コレステロールはお酒を飲む人が高数値になりやすいと言われています。比較的コレステロール値は低いと言われていた日本人ですが、近年は若年層でもコレステロール値が高くなっていると言われています。しかし「コレステロール値は確かに気になるけど、お酒を断つというのはちょっと無理」という方が多いのも事実です。確かにお酒には人生を潤す効果もあるもの。それに飲み方をちょっと工夫すれば体にとって害あるものとも言い切れないようです。

アルコールでコレステロール値が高くなると言われる原因とは

アルコールを摂りすぎると中性脂肪が増える​

アルコールを大量に摂取する人の肝臓はフル回転を強いられます。肝臓はアルコールを分解し代謝をおこなう器官ですが、通常この分解や代謝の過程の中で中性脂肪が合成させていく仕組みです。しかし過剰摂取されたアルコールは肝臓でアセトアルデヒド​に変化し脂肪の分解を抑制してしまうのです。結果、脂肪酸が増え中性脂肪が増えてしまいます。

  1. アルコールの過剰摂取でアセトアルデヒドが脂肪の分解を抑制、脂肪酸が増える
  2. 脂肪酸は中性脂肪を作り出し、肝臓内に中性脂肪が蓄積する
  3. 肝臓から全身へ中性脂肪が運ばれる

アセトアルデヒド​とは

摂取した血液中のアルコールが肝臓のアルコール脱水素酵素​で分解された中間代謝物質​です。アセトアルデヒドは、いわゆる悪酔いの原因を作り出すもので吐き気や呼吸促拍(呼吸がはやくなること)などを引き起こす有害物質で脂肪の分解を抑制します。現在二日酔いはアセトアルデヒドが原因ではないかと言われています。

中性脂肪​とは

中性脂肪は私達の体を動かしているエネルギー源です。摂取した脂質が小腸で吸収され体を動かすエネルギーとして使用されます。その際使用されずに残ったものが「中性脂肪」というわけです。

カルナ博士
わしも近頃は「中性脂肪」が気になっておるのじゃ。何とかせんといかんなと思ってのぉ
ひばり
博士は気にしているだけで、減らす努力はしていないじゃない。中性脂肪は悪者ってイメージが強いけれど、体温の維持に貢献しているものだから少なすぎても身体にとっては良くないのですよ。

中性脂肪が増えると悪玉(LDL)コレステロールが増える​ 

「中性脂肪が血液中で増加することで脂質の代謝に異常が出で悪玉(LDL)コレステロールが増え、善玉(​HDL)コレステロールが減少する」というのは有名な話ですが、そもそもコレステロールってどんなものなのでしょう?

コレステロールとは

​体のなかに存在する脂質の一つで、胆汁酸(消化管内で食物脂肪を吸収しやすくするもの)​​、そして細胞膜やホルモンをつくる原料です。悪玉コレステロールとは肝臓のコレステロールを体中に運ぶ働きをするもの。善玉コレステロールは血管壁に蓄積したコレステロールを肝臓に運ぶ​働きをするものです。

ひばり
細かく調べてみたら、この中性脂肪とコレステロールは相互関係で成り立っているようです。

​中性脂肪が増えると当然ながら体の 内臓につく脂肪が増えます。そのことによって善玉コレステロールとアディポネクチン​(内臓脂肪細胞で作られ中性脂肪を減少させる物質​)が減り、さらに中性脂肪が増えるという悪循環をおこしてしまうのです。さらに中性脂肪が増えて、悪玉コレステロールとレムナント​(粒子がより小さい小型のコレステロール​)が増えると血管壁に蓄積してしまうと言われています。

​肝機能が低下するとコレステロールの生産量の調整に影響あり​

肝臓はアルコールを分解し中性脂肪をつくり、これをエネルギーの源として体中に送り出します。しかしアルコールの過剰摂取でアセトアルデヒドが脂肪分解を抑止し、善玉コレステロールが減少することで体への運搬力も減らしてしまいます。中性脂肪はどんどん肝臓に蓄積されてしまうのです。この結果、肝機能が低下し正常なコレステロールの生産ができなくなってしまいます。


お酒やコレステロールと深い関係を持つ肝臓の仕組みを少し詳しく見ておきましょう。

​主な肝臓の働き​内容
糖質代謝
1.​糖質はぶどう糖に分解され肝臓に運ばれる
2.肝臓内でグリコーゲンに変えられて貯蔵される
3.必要の際に再びぶどう糖がつくりだされて体へ送られる
4.体にエネルギーが供給される
​たんぱく質代謝​​1.たんぱく質はアミノ酸に分解されてから肝臓に運ばれる
2.アミノ酸からさまざまなたんぱく質を合成する
3.たんぱく質合成によって血漿(けっしょう)​をつくる​
4.余分なアミノ酸は分解され尿素となる 
​脂質代謝​1.​脂肪は※胆汁と膵臓(すいぞう)で分泌される酵素で分解される
2.小腸粘膜で中性脂肪に合成されリンパ管を経て肝臓に入る
3.脂肪酸の合成や分解
4.コレステロールの合成が行なわれる
アンモニア代謝​
1.​アンモニアは細菌とたんぱく質からつくられ肝臓に入る
2.尿素に変える
​解毒機能​​1.様々な​物質を毒性の少ない水溶性物質に変える
2.尿や胆汁に排泄する

※胆汁とは、肝臓でつくられる黄褐色のアルカリ性液体​で脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす​もの

「百薬の長」適度な飲酒は体にいい​

ビール、ワイン、ウィスキーはコレステロールの直接摂取なし​

お酒というとビールが人気ですが、ビール=コレステロールと誤解している人も多いのではないでしょうか?実はビールは直接的にコレステロールとは関係のないものと言えるのです。そのほかにも人気の高いワインやウィスキーもこれに相当します。これらのお酒は脂質を含んでいないのです。​

​種類​カロリー100ml中(kcal)​脂質(g)​糖質(g)​
​ビール​​39​​0​​3.1​
​白ワイン​​75​​0​2.0​​
​赤ワイン​​73​​0​​1.5​
​ウイスキー​​237​​0​​0​
カルナ博士
おお、そうじゃったんか!ではわしはこれからも安心して飲めるの
ひばり
博士、そこに落とし穴があるのよ。お酒を飲むときっておつまみを食べるでしょ。そして脂質が0でも糖質があるものは要注意!糖質は​肝臓で脂質とくっついて「脂肪」になるのよ。​飲む際は脂質のすくないおつまみを選ぶのも大切ね。

 適度なお酒は善玉を増やし悪玉を減らす​

適量のお酒を摂取すると善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らすと言われています。このメカニズムはしっかり解明されていないようですが、イギリスの学者マーモットは「お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適度に飲むことで死亡率は低くなる」と発表しています。これは適度のアルコールが血液中の善玉コレステロールを増やすからと言われています。

確かに適度なお酒は血流を良くしてくれますし、「食前酒」は胃を刺激して食欲をそそり、場を和ませて食事の楽しみを増やす意味合いがあります。お酒は程度に飲むことで私達に多くのプラス効果を与えてくれるものなのかもしれません。

中性脂肪が多い人は控えめに

​酒は百薬の長とはいえ、元々中性脂肪の多い人はできる限り控えた方がいいでしょう。高脂血症(脂質異常症)という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?これは近年増加傾向にあるメタボリックシンドロームのことを指します。

  • 悪玉(LDL)コレステロール​は動脈硬化を引き起こすと言われています。
  • 中性脂肪は心筋梗塞、脂肪肝、狭心症、脳梗塞などを引き起こすと言われています。

中性脂肪を下げる必要性のある方は、アルコールを控えめにするばかりではなく、糖質の多いお菓子やジュース類、脂質の多いケーキなども控えめにした方がいいでしょう。

体に悪くないお酒のたしなみとは​

アルコールの適量:純アルコールで20g​

公益社会法人のアルコール健康医学協会​では「適度」と言われるアルコールの量を定めています。

アルコール量の計算式

お酒の量(ml)×{アルコール度数(%)÷100}×0.8​

​この式に500mlでアルコールが5%​の一般的なビールを当てはめてみると、500×{5÷100}×0.8=20​となりちょうど1日の適切な量となります。

ひばり
分かりやすいように主なお酒を一覧表で見ていきましょう。よくお酒を飲む人にとっては少ないと感じる量かもしれませんね。
​種類1日の適量​​
​ビール(アルコール度数5​)​500ml​(中びん1本​)
​ワイン(アルコール度数14​)​約180ml​(1/4本​)
焼酎​​(アルコール度数25​)​約110ml​(0.6合​)
​日本酒​(アルコール度数15​)​180ml​(1合​)​
​ウィスキー​(アルコール度数43)​60ml​(ダブル1杯​)

ポリフェノールが含まれているものを​

体中にコレステロールを運んでいる悪玉(LDL)コレステロールは、活性酵素から刺激を受け「酸化悪玉コレステロール(酸化LDL)」に変化します。この物質は血管壁に傷をつけ壊してしまいます。血管が破壊されるということは脳梗塞や心筋梗塞​につながってしまう場合があるようです。

このため活性酵素​を減らし酸化悪玉コレステロール​の生成を抑える必要があるのです。悪玉コレステロールを酸化させないために抗酸化物質を含んだ​ポリフェノール​が役に立つと言われますポリフェノール​は活性酵素の発生を抑制​する働きがあるものです。

活性酵素​とは

体の中で酸素を取り入れ代謝をおこなう際に発生するものです。体を老化させる、錆びさせるものと言われていますが、体にとって重要な働きもしています。ただ増えすぎると酸化を引き起こしマイナスになってしまう​のです。

活性酸素のプラスの働き

  • ​侵入した細菌などを除去する
  • 免疫機能の手助けをする

活性酸素のマイナスの働き​

  • 老化現象(シミやシワなど)
  • 動脈硬化
  • 糖尿病など​

ポリフェノール​とは

植物に含まれる苦み成分や色素のことで果物や穀物の皮に多く含まれています。ほとんどの植物に含有されているので、その数は5,000種以上もあるようです。お酒でポリフェノールというと赤ワインが有名ですが、赤ワインは皮をつけたまま発酵​するのでポリフェノール​が多く含まれる(100mlあたり230mg)​のです。抗酸化作用があるので活性酸素を抑え込む働きがあります。赤ワインがダントツにおおいポリフェノール​ですが、実は赤ワイン以外にもポリフェノール​は含まれています。

カルナ博士
ポリフェノールは赤ワインの他にビールや日本酒、焼酎にも含まれておるんじゃ

 ビールのポリフェノール​

ビールの原料ホップには「キサントフモール」というポリフェノールが含まれ活性酸素を抑制してくれます。またこのポリフェノール​は東京大学大学院農学生命科学研究科​によって、肥満や脂肪肝を改善することも発表されています。

日本酒のポリフェノール​​

​日本酒には「フェルラ酸​」というポリフェノールが含まれ​ています。とくに樽酒に多く含まれていると報告されて​いて抗酸化作用が高く、美肌効果も高いとされています。また近年の研究で脳機能の改善効果があるため、認知症予防に期待がもてると発表されているようです。

焼酎のポリフェノール​​​

焼酎はでんぷん質の原料(米、麦、さつまいも、黒糖など)から作られ多種多様の種類があります。 ​焼酎の中でも芋焼酎に含まれる「アントシアニン」というポリフェノールは赤ワインと同等と言わています。

休肝日を作ろう​

アルコールによる肝臓への負担はとても大きいものです。アルコール分がゼロになるまで肝臓は働き続けるので、毎日アルコールを摂取すれば肝細胞の壊死​などが起こり働きも鈍くなってきます​おもなアルコール性肝障を見てみましょう。

1.アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝​​は、肝臓に脂肪がつくものと言われています。自覚症状はなく超音波検査ではじめて気が付くというケースがほとんどのようです。

2.アルコール性肝硬変​​

毎日大量のアルコールを摂取している人に多く見られると言われます。症状は吐血や腹、黄疸などで発見時には手遅れというケースもあるそうです。しかし断酒でよくなるというデータもあるようです。

3.アルコール性肝炎​​

脂肪肝の状態からさらに悪化した状態と言われています。さらにアルコールを摂取し続けることで重症化し死に至るケースもあるようです。症状は発熱や腹痛そして黄疸などです。


上記の症状がさらに進むと肝不全や肝臓ガン​になるケースもあるそうなので、休肝日は是非設けるように心がけましょう。公益社会法人アルコール健康医学協会の「適正飲酒の10か条​」にはつくろうよ 週に二日は休肝日​と表記されています。週に2日は休肝日​をつくりましょう。


1.談笑し 楽しく飲むのが基本です​
​2.食べながら 適量範囲でゆっくりと
3.強い酒 薄めて飲むのがオススメです
4.つくろうよ 週に二日は休肝日
5.やめようよ きりなく長い飲み続け
6.許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
7.アルコール 薬と一緒は危険です
8.飲まないで 妊娠中と授乳期は
9.飲酒後の運動・入浴 要注意
10.肝臓など 定期検査を忘れずに

Source: 公益社会法人アルコール健康医学協会


適正飲酒のルールが表記されています。

おつまみは低カロリーのものを

コレステロールをおさえるには、お酒のお供「おつまみ」を低カロリーに抑える必要があります。一般的にお酒のおつまみといえば、味付けが濃く塩分量が多いものです。これはお酒を進むように作られたものだからなのです。体内の塩分濃度を高めることで体が本能的に水分を欲するためお酒が進みます。そのため脂質も多い肉料理やフライドポテト、ウインナーなどが好まれます。

しかし脂質とお酒の糖分を一緒に摂取すると、当然のことながら中性脂肪が増えて、悪玉コレステロール値が上昇します。おつまみはできるだけ低カロリーの物を選ぶようにしましょう。

オススメしたい低カロリーのおつまみ

  • ​枝豆
  • 野菜スティック
  • 豆腐
  • 海藻サラダ
  • 焼き鳥(ねぎま)

【番外編】同じ嗜好品でも「タバコ」はNG​​

​タバコには色々な害がありますが、その中でも意外なものとして喫煙者がメタボになりやすいというものがあります。​喫煙することでコルチゾール( 副腎皮質で生産されるステロイドホルモン)​という成分が多く分泌され​ます。このため内臓脂肪が増えやすくなります。またこのコルチゾール​はホルモンの働きを弱くするので内臓脂肪が蓄積されやすいようです。

コルチゾールの増加によるデメリット

  • ​血糖値が上がる
  • 免疫力が下がる
  • コラーゲンの減少
  • 脳機能の低下など
ひばり
私達のカラダからは多くのホルモンが分泌されていますが、中でも成長ホルモンは脂肪分解作用あるものです、このホルモンが減ると体に脂肪が蓄積してしまうのです。

「適度に楽しむ」のがコレステロール対策​ 

お酒を健康的に飲むならば「適量」を飲むということがポイントのようです。制限なく飲んだ結果が、重い病気になってしまってはその先飲酒を楽しむことも出来なくなってしまいます。長くお酒を嗜むためにも、適度に楽しむ飲み方をしていきたいものです。

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